◆住宅カンペブログ◆

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◆夏と冬の換気経路 ~素人が考えた第3種換気~



 

 

今回のテーマは「3種換気の経路」です。

 

 

 

こんにちは。ぽへです

今回は、換気経路について自分なりに考えたことを記事にしました!

 

 

外気が入ってくるんじゃ、快適な室温は難しいんじゃ...?

第3種換気でも出工夫できることはたくさんありますよ!

 

 

初心者が考えた換気、ということで温かく見守ってやってください。笑

 

 

 

さて、今回のクイズはこちら!

Q. 換気量ってどれくらい必要なの?

 

この記事を読めばきっと答えられると思いますので、ぜひ探してみてください!

 

 

 

 

第3種換気でも快適にすごしたい...✨

 

 

Pick up!

今回参照するカンペはこちら!

vol.15「換気」

 

 

 

温熱環境において、換気が与える影響は大きいです。

参考:エコハウスのウソ2

参考:エコハウスのウソ2

2枚目にもあるように、断熱性能を高めても換気が十分に考えられていないとせっかく空調した快適な室内空気がどんどん交換されて熱のロスが生じてしまいます。

 
 

 

 

第3種換気を考えてみる

まずは第3種換気のメリットデメリットについてみていきます。
 

メリット

  • 導入コストが安い
  • 構造はシンプルなので、メンテナンスも比較的容易
  • 換気量は維持されやすい(排気したぶんだけ給気される)
このようなメリットから、多くの工務店やHMが第3種換気を採用しているような気がします。
 
 

デメリット

一方、第3種換気のデメリットはこんな感じでしょうか。

  • 室内が常に負圧になる
  • レンジフードを強運転すると、排気口から逆流してくる
  • 外気が直接入ってくるため、給気口付近は夏に暑くて冬は寒い

特に寒がりな私たち夫婦にとっては、3つ目は死活問題ですね...💦

 
 
ちなみに夏と冬の外気がダイレクトに入ってきているのは、サーモカメラを見るとよくわかります...!💦

給気口周囲のサーモ画像(夏27.1℃、冬6.7℃

夏は30℃近く、冬は5-10℃くらいになっています。

あくまで表面温度なので、給気されている空気はもっと暑い(寒い)と考えられます。

 

この温度は自然給気なので仕方ないですが、これを見ると、換気の給気口の位置には注意が必要そうですね...!

デザイン的にもリビングのど真ん中などに設置する方はいないかと思いますが、人目につかないところに、とやっているとその空間だけ暑くなる・寒くなるといったことも起きてしまいそうです...💦

 
 
ちなみに高性能な住宅では、例えば「澄家」などといった熱交換可能な第1種換気がよく採用されています。

https://www.mahbex.com/
ただしどんな工務店でも導入できる、というわけではないみたいです💦
我が家の場合、打ち合わせの段階で第1種換気の導入も検討してる、ということを伝えてみたのですが、依頼した工務店は施工実績がないとのこと。
 
 
さらには、

ざっと200万円くらいのコストアップになります...!

えええ...? Σ(゚д゚lll)ガーン

 

なんていわれてしまったので、泣く泣く第3種換気になりました。

第1種換気は、換気経路や換気量などの検討が必要なので、やっぱり導入実績などはしっかり確認しておきたいですね。

 
 
 

当初の換気計画

設計を担当してもらった建築士から頂いた換気計画内容はこんな感じでした。
  • 全体の換気量は約0.8回/h
  • 給気口は各部屋に設置(居室から給気してダーティーゾーンから排気)

当初の換気イメージ

 

詳細はこんな感じです。最終図面に計算結果が載っていました。

計画時点での換気能力

 

換気量がだいぶ過剰な気が...💦

 

本来であれば換気量は0.5回/hでよいのに、0.8回/hは多いですね...。

しかも「強」運転で計算しているのでこんなものなのでしょうか😿

 

また排気量を計算する際に、0.8掛けするのが一般的な計算方法なのでしょうか...?

 

 

FY-17CD7Vについては、カタログに有効換気量(77m3/h)があったのですが、こちらとも計算結果がずれているのが気になります...。

 
この計算などの理解には、三菱のこちらのスライドを参考にしました。
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我が家の換気運用

建築士から出てきた換気だと、せっかくの高性能が生かせない気がする...。
ただ今さら、換気経路を考え直してもらう時間はなかったので、設備はそのまま、運用に頭をひねることにしました。
 
まず、夏と冬の温熱の違いについて確認します。

夏と冬の温熱の違い

夏と冬では入ってくる空気の質が異なるため、我が家のような2階建ての場合は最適な換気経路が夏冬で変わりそう...?

そこで夏Ver.と、冬Ver.があるため、2パターンに分けて運用しています。

 

私のイメージでは、

給気口から入ってくる空気をすぐにエアコンに取り込んでもらって、空調された空気を家中に回したい!

という感じです!笑

 

※換気経路を考えたわけではなく、いろんなところについていた給気口や排気口を活用して、どうやったら少しでも快適な温熱環境になるかを素人なりに考えたものです。

 

以下、少しでも参考になれば。

 

 

 

夏 Ver.

まずは夏季の運用から見ていきます。

我が家の夏の時期の換気経路はこんな感じです。

夏の換気経路イメージ

夏は外気温が高く、流入した外気は暖かいので上に登っていきます。なので我が家では2階から給気して、その外気を2階ホールにあるエアコンで除湿運転しています。

 

もう少し詳しく見てみるとこんな感じです。

換気経路

 

除湿された(冷えた)空気は下に向かうため、1階まで冷気が下りてくる、といった感じでしょうか。

 

 

実際に階段では気流が生まれており、(おそらく)冷気が下りてきていることが確認できます。

ホールエアコン下の階段では、0.4m/sの気流が生じている

 

 

給気口

1階は閉めて、2階の給気口を開けます。入ってきた外気がなるべく早く空調されるように、近い位置の給気口を開けます。我が家の場合は、廊下の突き当りにある寝室の給気口を開けています。

給気イメージ(夏)

 

排気口

洗面脱衣室の排気口を使用しています。

洗面の排気口(右はCFファン)

2階で空調された空気が1階に降りてきて、リビングダイニングを通り洗面まで流れる想定です。

また入浴後の湿気も、リビングまで回さずになるべく近い位置で排気できることも見越しています。

排気イメージ(夏)

 

 

※こちらの排気口は、夏の期間は回しっぱなしですが、寒くなってきたら閉めるので、気密シャッター付の給気口にしておくことをオススメします!

我が家も打ち合わせの段階ではこれは回しっぱなしだから大丈夫、とつけませんでしたが、レンジフードなどを回すとちゃんと逆流してきました...😿

 

給気口の逆流については以下の記事にもまとめましたのでご参照ください。

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pohe-homecampe.hateblo.jp

 

 

 

浴室換気扇

夏場はそもそも高温多湿なので、入浴や洗濯による湿度が大敵です。そこで少しでも早く湿気を逃がせるよう、入浴後30分程度は浴室換気扇も回しています。

我が家はCFファンを採用しているので、浴室換気扇は回さなくても十分に乾燥できるのですが、入浴後に浴室換気扇を回すことで、洗面やリビングに湿気が入ってくるのをある程度防ぐことができます。

(※CFファンについてはこちらから)

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pohe-homecampe.hateblo.jp

 

 

またFFさんから教えていただいたのですが、浴室換気扇を回すときは、浴室のドアを閉めたほうがより効果的みたいです。

こちらのツイートでも報告していますが、ドアを閉めて換気したほうが洗面などの湿度上昇が抑制されています

 

これは言われないと気づけなかったポイントです、平屋社畜さん本当にありがとうございました!✨

 

 

 

シーリングファン

シーリングファンは夏の間は停止しています。

冷房向きで回していましたが、冷気は放っておいても降りてきますし、シーリングファンで混ぜるせいで、上下階の温度差がなくなってしまって冷気が下りてこないケースもあったので、シーリングファンは止めています。

 

 

 

 


冬 Ver

続いて冬の換気経路について紹介します。

冬の換気経路イメージ

寒いのが本当に嫌。夫婦そろって寒がりなので、少しでも外気を入れたくないです。なので給気口とエアコンは極力近く、また1階かを暖めて2階へ暖かい空気を移動させるようなイメージで運用しています。

 

もう少し詳しく見てみるとこんな感じでしょうか。

冬の換気経路イメージ

こんんけしか冷たい外気が動かないことはないかと思いますが、あくまでイメージということで。また熱源がない2階からは冷たい空気が落ちてくることもあります。

 

 

給気口

冬季は1階のエアコン近くの給気口をオープンしています。

この給気口は、外気をすぐにエアコンに取り込んでもらえるようエアコン横に設置しています。

エアコン横の給気口

 

これの効果はどうなのよ?って話ですが...

このサーモ画像を見ると、ある程度エアコンが吸い込んでくれているような印象があります。

給気口から入ってきた冷たう空気がエアコン上部に流れている

 

ただし。

ここだけはこだわって「エアコン横」に設置しましたが、寝室などは「エアコン下」についています。

エアコン「下」にある給気口

これはたしか流入してくる外気にエアコンの風を当てることで、外気による暑い寒いを軽減する、というのを何かでみてこの位置にお願いしたのですが...

いざ取り付けられたものを見てみると、変な高さにあって目立つし、外気と空調空気が混ざってあまり効率がよくない...?💦

 

冬場は結露にもつながりそうなので、これからの方は「エアコン上、または横」に給気口をつけましょう!

 

 

 

排気口

冬季の排気に関しては、2階廊下にある天井付の排気口(ダクト式)にて運用。

2階廊下の天井にある排気口

我が家、ここだけなぜかダクト付の排気口です。風量などは変えられませんが、天井付なので暖かい空気を排気するのにはちょうどいいかな、と勝手に思っています。

特筆することもないので次に行きます。笑

 

 

浴室換気扇

冬は回していません。

夏場はそもそも高温多湿なので、入浴後の湯気は大敵でしたが、冬季では強い味方です。温度上げてくれるし、加湿までしてくれるすごい子です。

洗濯乾燥も同じように高温多湿の空気なので、可能なら室内に取り込んでおきたいですね。(乾太くんの場合は、室外に排気されてしまうのでご注意)

 

浴室の乾燥については上記したCFファンで十分ですし、基本は回していません。浴室の掃除のときに15分だけ回す程度で原則閉めています。

また外気の流入を防ぐためにも、浴室の換気扇も気密シャッター付タイプの採用を強くオススメします。

これらだけでも、冬の浴室の寒さが大きく変わると思います...!

 

 

 

シーリングファン

天井向きに空気が動く向きで運用。

これは取扱説明書を読むまで知らなかったのですが、暖房時にはシーリングファンによって空気を引き上げ、天井にぶつけて空気を動かしているようです。
(私は暖かい空気を降ろす向きで回っているものと思っていました💦)

 

暖気は何もしなくても上がっていきますが、吹き抜け下に掃き出し窓があり、そこの冷えがつらいため、シーリングファンで暖気を下ろしてきて少しでもコールドドラフトを軽減できれば、という狙いでやっています。

掃き出し窓近くの床の冷え

 

こういった形で、寒い空気はすぐにエアコンで熱交換(?)してもらう、また発生した熱源は最大限に活用する、という戦略をとっています。

 

これの効果のほどはいかに...?

 

 

 

実際の温湿度

ここからは2022~2023年の実測値をお示しします。

(外気温のスイッチボットが故障したため、外気温のデータがエクスポートできませんでした💦)

 

夏(7~9月)

まずは夏季の温湿度です。リビング、洗面、寝室を示します。

夏季の温度(上)、絶対湿度(下)

冷房がついている2階(寝室)のほうがやや気温は低いものの、およそ同じくらいの温度帯で維持できています。空調計画や換気計画がうまく動いてくれていそうですね!

 

 

 

冬(12~2月)

つづいて冬季の温湿度です。リビング、洗面、寝室を示します。

冬季の温度(上)、絶対湿度(下)

室温はおおよそ22-24℃を維持。1月下旬の大寒波でも20℃を維持することができています。第3種換気でもしっかり考えればこういった室温を維持することも可能なんですね。

湿度は入浴や洗濯乾燥による変動です。しっかり室内に取り込めていることがわかりますね。

 

 

上記した温湿度環境については、もちろん断熱気密による部分が大きいとは思いますが、私の考えが少しでもこの温熱環境につながっているといいなと思います。

 

 

 

 

※注意点※

換気経路をいろいろ考えるにあたり、次の点には注意してください。

 

①換気口のフィルター

給排気口にフィルターを付けるケースもあるかと思います。実際我が家でもこちらのフィルターを使っているのですが...。

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風量は大きく減少します!

 

 

例えば洗面の排気口は、フィルターの有無で風速が0.9→1.7m/sまで変わりました😨

 

ここまで落ちるとは思ってませんでした...😨

何気なく使っているフィルター、換気効率を考える際には必ず考えておかなくてはいけませんね。

あとフィルターだけでもこんなに圧損?が生じてしまうようなので、埃がたまる前に交換が必須になりそうですね💦

 

 

 

②気密シャッター

先ほども書きましたが、定常的でない排気口については「気密シャッター付」にすることをオススメします。

気密シャッターをすることで、締まっているときの外気の流入を防ぐことができます。これがないと排気していないときは外気ツーツーの給気口が増えてしまうことに...?

 

参考までに、我が家で採用した気密シャッターを紹介しておきます。

我が家の気密シャッター
  • トイレ:(FY-08PFE9D)
  • 浴室:(FY-17CS)
  • キッチン:(ウッドワン指定)
  • 費用3ヶ所で約30,000円ほど!

 

 

③CO2濃度

廃棄量を調整する機能があり、換気量を調節する場合などは、CO2濃度を測りながら確認することをオススメします。

 

我が家の場合、これらの運用はCO2濃度計にて測定しながら検討しました。

寝るときも寝室のドアは空いていますし、3人家族ではCO2が急激に高くなることもなかったです。

夫婦で有酸素運動しても1000ppmくらい@リビング

 

換気はいい感じに動いているようでよかったです!

第3種換気ですし、基本は負圧で外に空気を引っ張って空気入れ替えているので、
そんなに気にするほどでもなさそうです。(^▽^)

 

 

④トイレの換気扇

トイレは「人感センサー+遅れて換気扇」を使って、入室~消灯後30分の間だけ換気扇が運転するようにしています。

 

ただしトイレの換気が常時換気ではなくなるため、トイレに空調空気が届きにくいデメリットがあります。

特に夏、窓があったりすると暑くなることもあるので、トイレの換気扇は常時運転でもいいかもしれませんね。

 

 

 

 

改良点

最後に、もっとこうできたのにな、と思ったことを3つ。

①夏季の給気口

2階ホールのエアコンの近くに給気口を設ければよかった...!

(多分もう少し負荷を少なくできたかも?)

 

ただ、昨年運用してみて、今の給気口の位置でもエアコン一台で十分快適に過ごせたので、そこまで気にすることもないかな、とは思いました。

 

②差圧式レンジフード

これはレンジフードを回した時に、給気するための方法の一つです。

第3種換気だと基本的に室内が負圧になっているのに加えて、レンジフードまで回すと玄関が開かなくなったり、排水溝の逆流などのリスクが生じます。

そうならないために、キッチン周囲に給気口を設けるのですが、これも付ければよかった...💦

今は躯体に負荷がかからないよう、レンジフードを強運転する場合はパントリーの窓を開けています。網戸があるとはいえ、虫が入ってくることもあるので給気口を付けておけばよかった...!

 

 

この記事を書いておいてなんですが...

給気口や排気口は初心者には建築段階で考えるのは非常に難しいです。

 

私も、建てて住むまでは、「換気って重要なんだ」っていうふわっとした浅い理解でした。

しかし実際に住んでみて、夏・冬を体験してみると、もっとこうできるのでは?などいろいろ考えられるようになり、今の運用に落ち着きました✨

 

 

これから家づくりが始まる方の、少しでもお役に立てればうれしいです!

 

 

 

 

まとめ

それでは今回の記事をまとめます!

☆POINT☆
  • 換気が温熱に与える影響は大きい!だからしっかり計画しよう!
  • 第3種換気は、コストメリットなどあるけど、外気がそのまま入ってくるので換気経路に工夫が必要!
  • 暖気、寒気の性質を理解して空調も準備!
  • 経路だけでなく、フィルターやシャッターも忘れず確認!

以上です。

 

 

 

ちなみにクイズの答えは…!

A. 0.5回/hだと定められてるよ!

でした~!

 

 

 

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最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

皆さんが素敵なおうちを建てられますように...