こんにちは。ぽへです◆
住宅カンペではなく私がセミナーや書籍などで勉強した内容を雑多に書いていく「家づくりメモ」のコーナー。
今回のテーマは『断熱性能と光熱費』です!
記念すべき第一回は、先日Zoomで行われました
JIN建築工房一級建築士事務所が主催してくださった「温熱教室2021、そのダイジェスト版」で勉強した内容です!
今回のセミナーは、以下のようにJIN建築工房様のご厚意で実現しました。
ご多用の中、本当にありがとうございました。
先月まで浜松でプロ向けに開催させて頂いた温熱教室2021、そのダイジェスト版をお施主さん向けにZOOM開催します。私とTwitterやクラハで交流のある方は建築後の方も含めどなたでもOKです。プロの方も建築大好きな私の友人の皆様、お声がけください。リプやDMくれた方にZOOMアドレスを発行します。 pic.twitter.com/5XnxCOa5Za
— JIN建築工房一級建築士事務所 (@JIN30906332) 2021年10月10日
少しでも家づくりの参考になればと、JIN建築工房様に連絡してもらったところ、参加させていただけることに!
この日のためにJIN建築工房さんが準備してくださったスライドはダイジェスト版といえどなんと150枚以上!
プロの方々を対象に開かれた温室教室(3時間×6コマとかおっしゃっていたような…)の内容を、ギュッと濃縮してのセミナーですからそれはそうなります!
断片的に「温熱」「潜熱」などの言葉を聞いたことあるくらいの知識しかないので、セミナーの半分もついていけませんでしたが、学んだ内容を無駄にはしたくないのでつらつらと書いていきます。参考までにどうぞ。
さて、今回のクイズはこちら!
Q. 外皮性能には含まれていない、温熱にとって重要な要素は?
この記事を読めばきっと答えられると思いますので、ぜひ探してみてください!◆
温熱って奥が深い…。快適な家づくりって大変だ…!
断熱性能を考える
まずは一般的に知られる断熱性能(外皮性能)を考えます。
断熱性能Ua値を求めるときに必要な「外皮面積」とは、
「開口部(ドア・窓)」+「壁」+「屋根」+「床」です。
一般的に考えられている「断熱」とは、外気の熱を室内へと伝えないようにすることなので、家の箱の部分、つまり外皮に着目すればいいことはわかります。
しかし住宅の「温熱環境」や「光熱費」などを考える場合は、外皮性能を考えるだけでは不十分なんです。どんな要素があるか、お判りでしょうか…?
断熱性能に入らない温熱要素
ちなみに、温熱教室では以下の項目が上げられていました。
- エアコン・空調
- 換気
- 内部発熱(ヒト、家電など)
- 日射
こう見てみると、やはり外皮だけで温熱環境を考えるのは無理があるみたいですね。上記の要素を加えると、次のような図になりました。
※矢印の向きに熱が動いているとお考え下さい。
だいぶ煩雑になりましたが、空調や温熱環境を考えるためにはこれだけの要素を検討しなければならないのか、ということがよくわかっていただけるかと思います。
温熱とコスト
まず温熱環境によるコストには2種類あることを理解しておきましょう。
①イニシャルコスト(初期費用):断熱材の材料費および施工費
②ランニングコスト:入居後の冷暖房による電気代
またセミナー内で、コストがどれくらいかを算出していくうえで、次の要素が重要だとおっしゃっていました。
- 建築地の夏冬の外気温と、理想の室内の温度(何℃で暮らしたいか)
- 断熱性能とイニシャルコスト
- 結露計算
- コストをペイする期間(何年でペイするのか)
- エネルギーコスト(電気代)のインフレ
うーん、1~3あたりはなんとなく考えていましたが、何年間でペイするつもりなのか、さらに電気代の高騰まではコストとして考えていなかったな…。と大変勉強になりました。
「電気代のインフレ」については、毎年2%上昇した場合の計算などもしていただいてました。(詳細は割愛)
インフレが起こらない場合、50万円の追加費用をかけてUa値を少し小さくしたケースでは、イニシャルコストは、60~70年以上経ってやっと回収できる計算だったかと思います。
またインフレ率が年2%の場合、同様のコストをかけたケースでは、回収期間が短縮されて、40年程度でペイできるとお話されていました。
※無断熱→高断熱などのトータルの断熱コストではなく、例えばG1 → G2への高断熱化した場合の追加費用分のコストの話なのでご注意ください!
個人的には断熱はペイするものではなく、あくまで「住み心地、快適さ」への先行投資だと思っているので、ペイできなくても払う価値は十分にあると考えていたのですが、長ーい目で見てみると、断熱化するコストメリットもあるんだなと。
ちなみに経産省のデータを見てみるに、2010年~2020年の間に、家庭向けの電気代は上下はあるものの20%以上上がってきているようで、今後もさらなる上昇があると考えた方が間違いはないと思いました。
(計算してみるとだいたい年2%程度インフレしている計算になりました)
こういった状況を鑑みて、
今後想定されるインフレに備えるためにも、住宅の高断熱化は推進していくべきではないか、ともおっしゃっておりました。
本当にその通りだと思います。
「電気代が上がるから太陽光を!」ということはよく耳にしますが、太陽光だけでなく、住宅性能によってもインフレに対しては供えられる可能性があることをもっと多くの方々に知っていただけたらと思います。
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
- 外皮性能には含まれない要素も温熱には大きくかかわってくる!
- 断熱のイニシャルコストはあるレベルまでは投資する価値あり!
- 断熱は「快適さ」だけでなく「インフレへの備え」にも!
以上です。
今回の記事については、JIN建築工房様にも事前にご確認いただいた上で更新させていただきました。
JIN建築工房様、お忙しいところ本当にありがとうございました。
(HPはこちらです)
「当たり前をまじめにしっかり考える」
こんな設計事務所や工務店が今後どんどん増えていってほしいと願っております。
ちなみにクイズの答えは…!
A. 「空調」「日射」「換気」「内部発熱」など
でした~!
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「温熱教室2021ダイジェスト」のダイジェスト記事を書いています。ぜひこちらの記事もご覧ください!◆
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
◆皆さんが素敵なおうちを建てられますように...◆