今回のテーマは「ガルバリウム×磁石のリスク」です。
こんにちは。ぽへです◆
今回は、ガルバリウムに磁石つけるときのリスクなどに関して記事にしました!◆
ガルバにマグネット、錆びるってほんとですか?
ええ?そうなんですか!?ちょっと調べます...💦
今回は何気ない投稿からはじまった調べ物の備忘録。よければ最後までご覧ください。
さて、今回のクイズはこちら!
Q. 鉄がさびる原因は?
この記事を読めばきっと答えられると思いますので、ぜひ探してみてください!◆
マグネット、便利だけどリスクもあるの...?
ガルバリウムとマグネット
我が家では、簾やSwitchbotの温度計をマグネットフックで外壁に取り付けています!
こうやってあとから色々つけられるのも、ガルバ外壁のメリットの一つだと思います。
ただしマグネットを使う場合は、次の点に注意が必要です。
1.キズ
→ガルバリウム外壁はキズや凹みがつきやすい。マグネットで簾などを取り付けるときには、外壁に傷をつけないように注意する。
2.錆び
→ガルバリウム外壁は錆びないわけではない。特に塩害地域や潮風が多く吹く地域では、白錆びが発生しやすい。マグネットを取り付けるときは、メッキが剥がれたり、鉄粉が付着したりしないように注意する。
今回の記事では 2.錆び についてもう少し詳しく見ていきます。
どうやって錆びるのか?
まず錆はどうやって発生するんでしょう?
そもそも鉄が錆びるためには、水と酸素が必要です。鉄は空気中の酸素や水と反応して、赤錆を発生させます。この錆は鉄の表面から脱落しやすく、内部の鉄も錆びやすくなります。これが錆びる原因です。
以下、日鉄鋼板株式会社のホームページより。
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鉄が酸化し、表面に定着したものが錆というのが一般的な理解ですが、この過程を電気化学的に説明すると2つのプロセスに分かれています。
まず、水と酸素が化学反応を起こす際に鉄の電子を取り込むため、電子を取られた鉄が水に溶け出します(=イオン化)。この反応は「アノード反応」と呼ばれます。また、電子を取り込んだ水、酸素は還元され、水酸化物イオンが発生します。この反応は「カソード反応」と呼ばれます。最終的には溶け出した鉄イオンと水酸化物イオンが化学反応し、錆として鉄表面に定着します。鉄が錆びるプロセスにおいて、この2つの反応(アノード反応とカソード反応)は金属表面において必ず等しい速度で進行します。そのため、アノード反応かカソード反応か、どちらかの反応速度を抑制する(遅くする)ことが鉄の錆を防ぐために重要となります。
難しいことが書いてありますが、簡単に言うと次の2点に気をつければ、鉄のさびは防ぐことができます。
①鉄が水に溶けるのを防ぐ(メッキが溶けてくれる、犠牲防食)
②酸素・水を触れないようにする(バリア層を作る、不動体形成)
①犠牲防食:鉄よりもイオン化傾向の大きい金属でメッキすることで、メッキ層が先に溶けて鉄が溶けだすのを防いでくれます(上記の場合は亜鉛)。こちらは水が鉄に触れてしまった際の対策になります。
②不動体形成:そもそも錆の原因となるものが鉄に触れなければ、錆びることはない、というアプローチですね。これもメッキの大きな役割です。
ガルバ外壁を見てみる
さて、今回のお話の中心になっているガルバリウム鋼板は、鉄と炭素を主成分とした金属です。
つまりこの鋼板に水や酸素が触れないようにする(もしくは触れても溶けにくいようにする)ことが重要になってきます。
ニチハ社のガルバ鋼板の断面イメージがこちらです。鋼板の上にアルミ・亜鉛の合金めっきと被膜(コーティング)、さらに塗膜を2層と、4重のコーティングになっていますね。
これを見るに、よほどのことがない限り、鋼板に水や酸素が触れることはないのではないか、と思います。(さらにガルバリウム鋼板の表面に発生する「白錆」は、赤錆と違って表面から脱落しにくく、内部の鉄を保護する役割を果たしているそうです)
ただ、メッキや塗膜を過信しすぎるのも危険です。上記のように、ガルバリウム鋼板は錆びにくい材ですが、全く錆びないわけではないです。(例えば磁石の場合、ガルバ表面に生じた白錆に反応して、赤錆を発生させる可能性があるそうです)
またメーカーとしても、正しい施工がされ、使用方法やメンテナンス方法が適切でない場合は、外壁保障外としています。マグネットについては明記されていませんが、使用される場合は「自己責任」だという点はどうぞご理解ください。
さらに、注意すべきポイントである「キズ」も問題になってきます。
せっかくコーティングやメッキがしてあっても、何かしらの衝撃によって傷が入ると、そこから雨水や空気が侵入し、錆の原因となってしまいます。メーカーが簡単に剝がれてしまうコーティングをしているとは考えにくいですが、外壁の清掃時やマグネットなど取り付ける際は、傷つけないように注意して作業するに越したことはないと思います。
メーカー見解
以下、参考までに。
日鉄鋼板株式会社の「エスジーエル🄬」のカタログには、次のような記載があります。
異種金属との接触による「電食」にご注意ください
金属は一般的に異なる金属との接触によりどちらか電気的に卑な金属の方が腐食します。この現象は「電食」と呼ばれます。よく見られる事象としては銅やステンレスとの接触により腐食し、穴あきに至るケースです。
ステンレスの中でもSUS430は非常に早く電食を発生させます。SUS304においても電食スピードは他の金属より遅いものの、電食が進行しますのでご注意願います。接触せざるを得ない場合は、コーキング・ゴムシート等により絶縁してください。
※電食:「イオン化傾向が異なる金属と液体が接触したときに生じる電気による腐食(錆び)」のこと。
なので「ガルバリウム鋼板」と異なる金属(磁石含む)を接触させるのはよくないよ、ということになりますね。※ちなみに磁石の主成分は、鉄やニッケル、コバルトなどの合金です。
電食による錆の様子も示しておきます。
異種金属の中でも、銅や亜鉛が触れるケースのほうが腐食しやすいようです。
また実施工のガルバ屋根のさび写真もメーカーが出しています。
亜鉛メッキは腐食が著しいですが、ステンレスはほとんど腐食していません。沿岸地域で23年経過でこのレベルですし、近年の高耐候の外壁であれば、もう少し長くきれいに保てるかもしれませんね。
また我が家が採用した「アイジー工業」にも問い合わせたところ、以下のような回答をいただきました。
マグネットを外壁につけておくと、さびやすくなるのでしょうか?現在タープをひっかけたり、ひも付きのものをひっかける手段として外壁のガルバリウムにマグネットフックの取り付けを検討してるのですが、電食などによって錆びやすくなる、といった情報もあって少し悩んでおります💦
マグネットの使用についてですが、空気中に微細な鉄粉が舞うような環境(線路脇、国道沿いなど)ですと磁石の周辺に鉄粉が付き、もらい錆となる可能性があります。錆を懸念されるのであれば、マグネットの使用はお勧めしません。
まあメーカーとしても「大丈夫」とはいいがたいので、「非推奨」、といった形ですね。
我が家はマグネットでの運用がしっくりきているので、取り扱いには気を付けながら、しばらく使ってみようと思います。(マグネットも錆防止塗装などを選ぶなどしています!)
皆さんの家づくりの参考になれば幸いです!
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
以上です。
ちなみにクイズの答えは…!
A. 「水」と「酸素」!これらが触れないようにすることが肝要!
でした~!
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
◆皆さんが素敵なおうちを建てられますように...◆