◆コールドドラフトに備える ~創意工夫で冬を乗り切る~
こんにちは。ぽへです◆
今回のテーマは「コールドドラフト」です。
最近めっきり寒くなってきて、高断熱住宅の恩恵を受けている方も多い中で、「コールドドラフト」に悩む方も多いようです。
うちの工務店はそんな用語も知ったこっちゃない。コンサルすら次のようなことを言う始末ですから。
コールドドラフト?玄関なんて帰ってきて一瞬しかいないので寒くても大丈夫ですよ!私の家は一条工務店で建てましたが玄関は無断熱です!
え、本気で言うてます?絶対寒いし結露リスクとかも考えると対策しておくべきでしょう…。
という状態だったので自分で原因と対策を調べてみました。よければご参照ください。
さて、今回のクイズはこちら!
Q. コールドドラフトの原因は?
この記事を読めばきっと答えられると思いますので、ぜひ探してみてください!◆
高断熱だけでは解決できない強敵みたいです!
住宅カンペVol.42「空調カタカナ用語」
今回取り上げる住宅カンペはこちら。聞いたことはあってもあっまり良くわかっていない方、必見です。ポイントをまとめてますのでぜひ参考にしてみてください!
今回の記事では、コールドドラフトをピックアップして書いていきます。
※あくまで調べただけで、まだ実際に住んでいるわけではない点はご了承ください!
コールドドラフトとは?
『暖かい室内の空気が冬の冷たい外気に触れている窓や玄関ドアなどによって冷やされて、床に下降する現象』のことです。
みなさんも『冬の窓辺が寒い、冷たい』というイメージがあるかと思いますが、コールドドラフトが原因かもしれません。
また暖かい空気が冷やされて足元に流れていくので底冷えなどにもつながりますね。そうなると、足元が冷えてしまうため、実際の室温よりも体感温度が低くなってしまうことも。
※余談ですが、コールドドラフト(cold draft)って英語で「すきま風」を意味するみたいです!
コールドドラフトの原因は?
窓や玄関ドアといった開口部の温度が下がることで生じます。
ということはつまり!
『断熱不足』が主な原因なんです!
ただし聞いた話ですと、例えばHEATG2レベルの住宅でもコールドドラフトが発生することは往々にしてあるようですので、断熱だけが原因というわけでもないみたいです。
(コールドドラフトを防ぐためにはG3が必要、なんて言われたら泣きます。゚∵・(ノД`)∵゚。 )
対策はどうすればいいの?
これから私が収集した対策をぽつぽつ書いていきます。
(この記事が施主の皆様の集合知になることを願って...!)
対策は主に2つの方向性があります。
- 暖かい空気を冷やさないようにする(発生を抑える)
- 冷たい空気の気流を感じさせなくする(発生したものを解消)
次からは具体的な対策を書いていきます!
1.暖かい空気を冷やさないようにする(発生を抑える)
① 窓や玄関ドアの断熱性能を上げる
まずはなんといっても断熱性能をある程度まであげましょう!HEAT20のG2が必須、などは言いませんが特に開口部は断熱性能の弱点となりやすいのでしっかり断熱仕様を選ぶといいと思います。
コールドドラフトに限らず、冬場の冷えは熱を通しやすい窓や玄関ドアが室内側まで冷えることによって生じます。
なので例えばYKKAP社の『APW440』のようなトリプルガラスであったり、熱を伝えにくい「樹脂サッシ」のような窓を採用することで室内への窓側への冷気の発生をある程度押さえることもできます。
玄関ドアについてもやはり弱点になりやすいですね。
よくTwitterの施主の皆さんが採用しているのは『イノベスト』『ガデリウス』などの印象があります。
それか新築時は通常のドア(それでもD4くらいの仕様をお勧めしますが)にしておいて、あとから梱包材として使われるプチプチを玄関に貼るのも秘密兵器としてはありかもしれません。
(新築時に対策できるならしておきたい…!(;'∀'))
② 玄関土間の断熱をする
次に、断熱が手薄になりやすい「玄関土間」についても対策出来るとベストです!
玄関土間の周りを囲うように断熱材を施工していきます。
住宅カンペVol.34「玄関土間の断熱」
また詳しくはこちらのカンペにもまとめておりますのでご参照ください。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
ただし気をつけなければならないのは、
玄関土間の断熱は省略が認められているということです。
玄関土間は断熱しなくていい?
どういうことかというと、実は以下のように規定されているんですね。
フォロワーさん(旧名デミオさん)のこちらの図が見やすかったのですが、参照元が見つけられず…。
初見殺しすぎるだろ家づくり。 pic.twitter.com/iVg5Pfw9UC
— 天翔ける竜の股引き (@cokescrewblow) 2021年11月21日
これを見るに、国として「土間なんて断熱しなくていいよ!」というのがルールのようです…。。゚∵・(ノД`)∵゚。
調べてみてもやっぱり玄関土間の断熱は施工例もあまりなく、施行例を工務店に確認してみても他社の実績を引っ張り出してきて、
「玄関周りが飛び出してきて納まりが悪くなるのでお勧めしません」、なんていわれることも。
ただしみなさんもお分かりの通り、断熱がないってことはそこが断熱欠損になってしまうわけです…。一生懸命壁や屋根の断熱を考えてきたのに、なんかやりきれないですね…。
③ ハニカムスクリーンなど断熱仕様のスクリーンを活用する
さ窓やドアが断熱できてもまだ冷気を感じる場合(ちょっと贅沢な体でしょうか…笑)は、さらに層を増やすことを考えます。
そのためによく用いられているのが「ハニカムスクリーン」ですね。
空気の層を持っており、熱を通しにくいので窓からの冷気を受け止めてくれます。これを使えば、窓だけでは止めきれなかった冷気をスクリーンが止めてくれる、という算段です。
(うまく使いこなさないとスクリーンが結露するケースもあるみたいなのでお気をつけて…!)
2.冷たい空気の気流を感じさせなくする(発生したものを解消)
断熱だけでは不十分といいましたが、それ以外にどんな対策ができるのか、以下に例を挙げていきます。
※特にコールドドラフトが起こりやすい「玄関土間」に対する対策が中心になっています!
④ エアコンを玄関向きに設置
これは私がよく参考にしているフエッピーさんが提唱している暖房方式ですね。空気を動かすことでコールドドラフトによる不快感は改善するみたいです。
その空気の動きをエアコンでまとめてやってしまおうという算段です。逆に玄関はいいけど窓周辺が気になる、という方は窓側に風を送るのもありかもしれません。
階間エアコンを使っている方であれば、玄関土間に向けたファンを1つ準備しておく、床下エアコンならばガラリを、できることならブースターファンなどある程度空気を動かせるものを設置するのがいいのかもしれません。
※私は壁掛け+玄関と反対向きなのでこれ以外の方法を考えないと…!
(上級者だとこんな感じの運用も…!)
フエッピーさんがすごすぎた話
— ゴリゴリラ©️ (@heat20_G2030) 2021年11月21日
玄関のコールドドラフト対策、やってみました。
階間エアコンの玄関ホール上ブースターファンを「中」でドン!
冷気はどこかへ消えていった…
実はこのブースターファンだけ独立して強弱変えられるようにしてあり、強運転でもリビングだとあまり音は気になりません。 pic.twitter.com/LeS5K9bbGf
⑤ リビングの暖気をサーキュレータで玄関へ
これはエアコンの場所の都合上、玄関の向きに設置できないパターンの時の方法です。玄関土間に生じたコールドドラフトを風を使って解消する方法です。
⑥ 玄関にヒーターを設置
これもよく採用されている方法かと。空気を動かす方法ではありませんが、玄関土間や窓周辺に暖房器具(オイルヒーター等)を設置し、冷気を暖めてしまう、というイメージですね。
ただしコールドドラフトは温度よりも空気を動かして対策した方がいい、なんてことも聞きますし、あんまり温度を上げすぎると結露リスクにもつながってくるので注意が必要です。
個人的には家に入ってすぐにペレットストーブがある家とかめっちゃおしゃれだと思います。^^
気づいたら玄関土間に関してばっかり書いてました。
なんか恨みでもあるんでしょうか…?^^;
コールドドラフトは高性能住宅でも発生します。これは間違いないみたいです。
その上で、家づくり真っ最中の人も、家ができた方も、何年も住んでいる方でも対策する方法はあるんです。
高性能住宅は建てて終わりではなく、建てて住んでからが本当の創意工夫だと思っています!(※まだ地鎮祭も終わっていません)
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
- コールドドラフトは底冷えなどの不快感につながる!
- 断熱性能が低いと生じやすいので第一の対策に断熱強化を!
- それでも気になるなら空気を動かして対策しよう!
- ヒーターなどでもいいけど結露には注意!
- 気流対策は住んでみてからでもできるけど、断熱は建てるときだけ!しっかり考えて性能を決めてね!
以上です。
ちなみにクイズの答えは…!
A. 断熱不足!冬の冷えが気にならない高断熱を目指そう!
でした~!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
◆皆さんが素敵なおうちを建てられますように...◆