こんにちは。ぽへです◆
今回のテーマは先日Twitterでも話題になっていた「断熱等級6・7」です。
先日このような記事が取り上げられ、フォロワーの皆様の間でも話題になっていました。
国土交通省、経済産業省、環境省は11月4日、住宅・建築物の省エネ性に関する基準整備を進めるため、合同会議を開催した。住宅性能表示制度において、ZEH水準の外皮性能を等級5とする案は既に検討されているが、新たにZEH水準を上回る性能を、等級6、7として設定する方向で検討を進める。
※今後、11月24日に再び3省合同会議を開いて告示案、省令案をまとめ、パブリックコメントを経て来年1月、社会資本整備審議会建築分科会建築環境部会への報告を予定。公示は来年3月の見通しです。(決定ではありませんのでご注意を!)
当社の断熱等級は、最高水準の4です!高断熱ですよ!
こういったセールストークが通用しなくなるのかな…?
今回は断熱等級5・6・7がどういったものなのか、今までの断熱等級はどういうものだったのかを書いていきます。
これがすぐに家の性能に直結するわけではないですが、参考までにご覧ください。
さて、今回のクイズはこちら!
Q. 5地域の断熱等級6レベルに必要なUa値は?
この記事を読めばきっと答えられると思いますので、ぜひ探してみてください!◆
国として高断熱を推進していくことは素晴らしいと思います!
住宅カンペ Vol.6「Ua値」
今回は初期の段階でUa値についてまとめたものを掲載します。
今までの断熱性能等級は?
まずは「断熱性能等級」についてです。
断熱性能等級は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に規定された省エネに関する基準です。つまり最低限の住宅性能を担保するために守ってほしいレベル、ということなんですね。
※ちなみに現行で最高等級である「等級4」は平成25年に制定されています。
「次世代省エネ基準」といわれ、省エネ基準としては最高レベルの基準。複層ガラスなど開口部の断熱が義務化されました。
(下の表のオレンジ色の部分です)
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ここをみてわかるとおり、例えば5地域の場合だと、Ua=0.87程度の断熱性能、ということになります。(平成4年制定の等級3だとUa=1.54という異次元な数値に…)
工務店の中にはまだ標準仕様を「断熱等級4」としているところもあるかと思うのですが、国が定めている断熱等級という基準の中では最高レベルなので、「断熱等級は最高の4です!高断熱ですよ!」などといった広告もまだ散見される状況なんですね。
また住宅ローンやグリーン住宅ポイントで優遇される『長期優良住宅』もUa=0.87で認可が受けられてしまいます。
もちろんメーカーとしても国が認めている基準はクリアしているので、消費者が求めない限りは高断熱を推進するメリットはないかと思うんですがちょっとなあ…。
国はZEHを推進したい?
国土交通省が出している資料の中で、2050 年カーボンニュートラルの実現に向けた取組の進め方についてこんな記載もありました。
Ⅰ.家庭・業務部門
(4)住宅・建築物における省エネ性能のボリュームゾーンのレベルアップの取組
・ あわせて住宅性能表示制度における断熱等性能等級及び一次エネルギー消費量等級について、それぞれZEH基準の水準の省エネ性能に相当する上位等級(断熱等性能等級5及び一次エネルギー消費量等級6)を設定すること
また国土交通省の別資料によると、国はZEHの取組を推進する観点から、建築物省エネ法に基づく省エネ性能を、ZEH基準の省エネ性能に整合させることを目指している感じがします。
→これが断熱等級5として考えられている感じなのでしょうか?
まあ要するに、
住宅の断熱性能をZEH水準まで引き上げようぜ!っていうことなんだとわかってもらえればOKです。
※ZEHについては別で記事を書いているので併せてご参照ください。
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断熱等級6・7とは?
今回の案として、ZEH基準よりもさらに断熱性能が高い断熱等級6・7も案として挙がっているようです。
住宅性能表示制度において、ZEH水準の外皮性能を等級5とする案は既に検討されているが、新たにZEH水準を上回る性能を、等級6、7として設定する方向で検討を進める。
ZEH超の等級は、暖冷房の一次エネルギー消費量削減率を、等級6で30%、等級7で40%を目安に設定する。国交省は試算をもとに、一部の地域で補正は必要だが、おおむね目安に近い削減量を実現できるとして、HEAT20・G2を等級6、G3を等級7とする案を提示した。
また2050 年カーボンニュートラルの実現に向けた取組の進め方についてこんな記載もありました。
Ⅰ.家庭・業務部門
(6)誘導目標よりも高い省エネ性能を実現するトップアップの取組
・鳥取県におけるZEHの断熱性能を更に上回る断熱強化の取組(T-G1/G2/G3)等については、こうした積極的な取組が促進されることで、より省エネ性能の高い住宅の供給促進、ひいては各種基準の早期引上げにつながることも期待されることから、経済産業省、国土交通省、環境省などの公的なホームページなどで取組を紹介するとともに、住宅性能表示制度においてさらなる上位等級として位置付けることとして、位置付ける際の多段階の水準を整理すること。
これらのことを受けて、
国としてさらに高い断熱性能を設けて、断熱性能のレベルアップが進んでいくことは施主にとっては大変喜ばしいことだと思います。
それぞれの等級に必要な断熱構成も一緒に書いておきますね。
(アルミ複合サッシでは等級6もやや厳しい気がします…(;'∀'))
ただし、ここで着目したいのは「5地域」です。
よくよく見ると、HEAT20 G2よりも数値が下がっている…?
5地域は6地域よりも降雪も多く気温も低いため、HEAT20では6地域よりも低いUa値が求められていますが、断熱等級のでは6地域と同等の数値となっています。
(個人的には等級6取得できるからわーい、とか思っています笑)
うーん、断熱等級4を見てみると、5地域と6地域は同じ値だったのでそこに合わせたのか…?よくわかりませんが、何かしらの背景がありそうですね。
今後はどうなる?
いずれにしても、国として断熱性能向上に舵を切ることは歓迎です。
あとはメーカーや工務店がどのような対応をしていくのか、また施主へのメリットやコストがどのように反映されていくかなど、一筋縄ではいかないとは思っていますが、国が打ち出したことは大きな一歩だと思います。
あとは「性能一筋」でやってきた工務店がどうやって差別化していくのかが課題だと思います。完全に私見ですが、ハウスメーカーよりも工務店に今後の断熱や省エネについては頑張っていただきたいと思っているので、理論上の断熱ではなく、今までのノウハウを生かした「確かな断熱性能を持った家」をどんどん建てていってほしいと思っています。
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
- 断熱等級は住宅の最低レベルの断熱性能!間違っても「最高レベル」ではないよ!
- 断熱はHEAT20 G1レベル以上を推奨!
- HEAT20に匹敵する断熱性能等級を国が打ち出してきた!
- メーカーや工務店がどのような反応を見せるのか、要注目!
以上です。
なんとなくでも、断熱について国も動き出した、ということが伝われば幸いです!
ちなみにクイズの答えは…!
A. 必要なUa値=0.46
でした~!
私も最低限ここを目指します…!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
◆皆さんが素敵なおうちを建てられますように...◆