今回のテーマは「高性能住宅と否定派の意見」です。
こんにちは。ぽへです◆
今回の記事では、「高性能な家づくり」のために注意すべき項目についてピックアップして書いていきます!◆
UA値なんて理論値だし、気密は施工次第です。こだわる意味なんてあるんですか?^^
そんな風に、いろんな観点で否定されがちですよね…!何よりも重要な要素だと思っているのですが涙
今回は注意してほしいパターンも書いていきます。よければ最後までご覧ください。
さて、今回のクイズはこちら!
Q. 施主が知りたい情報を得られない状況のことをなんと言っている?
この記事を読めばきっと答えられると思いますので、ぜひ探してみてください!◆
高性能住宅にして何が悪いんだろう?
直近の高性能住宅に向けた動き
ここ数年で、住宅の高断熱化・高気密化が進んできてます。^^
特に2022年には、省エネ上位等級が新設され、2025年までに省エネ基準適合の義務化も決定しました。住宅性能表示制度も改正され、これからの家づくりが変わります。
2050年の”脱炭素社会”の実現に向け、国レベルでの住宅高性能化への取り組みが急激に進みつつあります。
また書籍だけでなく、Youtubeや𝐈𝐧𝐬𝐭𝐚𝐠𝐫𝐚𝐦といったSNSの普及により、私たちのような一般人でも高断熱、高気密などといった情報を簡単に手に入れることができるようになりました。
こういった流れを見ていると、今後ますますこういった動きが加速していきそうなのですが。。。
一方で未だに高性能住宅を否定する意見が見られているのも事実です。
高性能住宅を否定する人たち
高断熱にするのはコストの無駄です!北海道仕様なんていりませんよ!^^
断熱等級4くらいがちょうどいいんですよ!^^
高気密だと息苦しいので、中気密くらいがちょうどいいです!^^
というような営業トークが飛び交っているのが現状です。家づくりしている方だと、一度は耳にしたことがあるかもしれません。^^;
「ちょうどいい」「無駄」などの言葉が並びますが、誰の物差しで判断しているのでしょうか?判断するのは施主なのに、ですよ?
最近の𝐈𝐧𝐬𝐭𝐚𝐠𝐫𝐚𝐦で流れてきた広告にも、こんなことが書いてありました。
... 何をもって「費用対効果」としているんだろう?
下の表現を見るに、建築費が安く済むからコスパのいい家が建つ、とでも言いたいのでしょうか?
家づくりに際し、ある程度勉強してみると、
こういった情報が偏ったものである事、つまり一般解ではなく、バイアスのかかった情報なんだと違和感を持つことができますが、それが常態化している建築業界っていかがなものなんでしょうか…?
私が家づくりを始めた当初から感じていたのは、建築業界の「情報の非対称性」でした。
※情報の非対称性
商品やサービスの売り手と買い手の間で保有する情報に格差があることです。
ある商品を「売る側」は、専門的な知識を有しているにもかかわらず、「買う側」はその知識を持ち合わせていないというように、情報や知識の共有が成り立っていないという状況のことを示しているようです。
(参照:情報の非対称性とは?マーケティングの基礎知識 | デジマール株式会社|デジタルマーケティングエージェンシー)
例)
工務店やハウスメーカーの営業や建築士は、断熱や気密、耐震性などの情報を豊富に持っているのに対し、施主は勉強しない限りは、これらの情報は持ち合わせていません。
このような状態では、施主は工務店やハウスメーカーに確認して説明を求めるしかなく、仮に説明を求めたとして正確な詳細情報を共有してもらえる保証はありません。
本来であれば、施主が勉強しなくても知りたい情報が正確に得られる業界であるべきだと思います。
こういう仕組みが当たり前になってしまっているからこそ、施主が自分で頑張るしかないと考えています。
自分ひとりの家づくりを通じて、工務店の標準仕様や考え方を変えてしまうようなすごい施主の方々もいらっしゃいますが、私のような一般人はおとなしく勉強するしかなかったんです。
高性能を否定する人のパターン
国を挙げて住宅の高性能化に舵を切ろうとしている中で、
「高性能は過剰だ!」
「気密はいらない、通風すべきだ!」
という方々がどういった考えで発信をされているのかは正直言って私にはわかりません。
ただ高性能住宅を否定する人って、情報の非対称性を利用してることが多く、フェアじゃないよなあ、っていつも思っていたので、こんなパターンがあるから気をつけてね、というのを紹介します。
(1) メリットを間違えている
高断熱にしても光熱費ではペイできませんよ!
…ごもっとも。
しかし残念ながら、そもそも高断熱を目指している方々は、「光熱費の削減」が目標ではないと思っています。(光熱費の削減を目指すなら、太陽光発電や省エネ機器の提案など、別のことの方が効果は大きいと思います)
高断熱高気密にするのは、比較的少ないエネルギーコストで、「快適に暮らすため」だと私は考えています。
私もですが、そもそも断熱にかけたコストを光熱費の削減分で回収しようなんて思っていません。
例えばG2などまでいくと、30年間など長期的に見れば光熱費でペイできるような資産もあるようですが、家を建てるときにそんなに先のことまで考えて断熱したい!となる人は多くないような気がします…^^;
※昨今の電気代などエネルギーコストの高騰を鑑みると、高断熱による光熱費削減効果は大きくなっているようにも見えますが…。
高断熱をやっていない、特に予算で勝負しているローコスト住宅などがこのフレーズを使っている印象を受けます。
(でもそれって自分たちの建てた家はペイできるんでしょうかね…?)
(2) 相手のことを否定ばかりする
○○工務店は▲▲がダメですね、■■ハウスは過剰性能ですし…!
これはHMの営業などでも見られるケースですね。
聞いてて気分がいい人はいないと思うんですが、なぜこのようなスクリプトが残っているのか不思議です。
聞いてていつも感じたのは、
結局、御社が優れている点はなんですか…?
ってことです。
あくまで個人的な考えですが、
他者を否定するときって、少なからず負い目がある時だと思っています。
つまり自社でできていないから何かしら理由を付けて否定する。
でもその先の、他社よりも自社が優れているポイントを、顧客に伝えることのほうが重要ではないのでしょうか?
他社を否定しても、自社には何も残りません。自社の良さすら伝えられない人の元からは、数少ない顧客もいずれ去っていくと思っています。
「○○社の断熱は過剰だ」というのであれば、同じ土台で自社がどれくらいの断熱仕様なのか教えて欲しいものです。
その上で施主が判断しますから…!
(3) 暮らし方を知らない
夏は通風! 高気密は息苦しい!
過去にハウスシックなどの問題もあって、注意喚起の意味合いもあることは重々承知しております。
ただし、上記は昔の日本家屋のルールであることは念頭に置いて欲しいです。
日本家屋(低気密)で締め切った場合、夏ならエアコンが十分に効かずむわっとした空気になりますし、低気密だからこそ冬に石油ストーブが使えたんですね。
今の高気密住宅で石油ストーブなんて、あっという間に一酸化炭素中毒になります。
今の住宅は高気密なので、季節を問わず窓などを締め切ったほうがエアコンが効率よく効きます。
また松尾先生も示してくれてますが、
例えば第3種換気(自然給気)の場合、高気密の方が「計画換気がちゃんと働く」んですね。
つまり言い換えれば、高気密にしておかないとどういった空気の流れになるかわからないんです。
高気密は息苦しいって言っている方はおそらく換気・空調計画もちゃんとやってくれない可能性が高いです。なので実際住んでみるとエアコンがうまく働いてくれないケースもありえそうで、私ならお願いしたくないですね。
あとこのケースは年配の方に多い印象があります。
過去の常識から情報をアップデートしていかないと、次世代の顧客からの信頼を失ってしますいい例だと思います。(これは自戒も込めて…。)
(4) 発信する場所が間違っている
掲示板に愚痴を書き込むなんて、素人でもできますし、こんな情報は間に受けてはいけません。
多くの先生方のように、住宅業界に危機感を覚えた上での行動なら、匿名掲示板ではなくもっと適切な媒体があるように思います。
こちらに最近教えていただいた例を貼っておきます。
こういうのは一向に減らないですね…😢
— ぽへ🔸住宅カンペ (@pohe_home) 2022年10月22日
てかkumanabeさんよう見つけてきましたね💦 https://t.co/QQD8zPrZ7t
こちらはkumanabe(断熱等級6相当)さん(@kumanabe333)がツイートされてました。
— kumanabe(断熱等級6相当) (@kumanabe333) 2022年10月22日
匿名掲示板に書いている時点で、責任から逃れようとしているわけですよね。そんな人が、実名や顔を出して情報発信している先生方を非難するのはいかがなものかと。
経歴もわからない、本当に建築士かもわからない、ただの愚痴でしかありません。そんな思想の下にお客さんは来るのでしょうか?
こう思うのであれば、自社のHPやSNSに上記のことを掲載してもっと定期的、かつ永続的に情報を発信していくべきだと思います。
そのうえで、施主の皆さんが判断されると思いますから。
現状、多くの施主の目に触れるであろう大手HMのHPにも上記のような記載はありません。そんな業界全体でこのようなことを隠して家づくりをし続けているとは考えにくいです。
では、この情報の真偽は…?言わなくてもわかりますね。^^
情報収集の際、情報ソースはしっかり見極めていきたいです。家について勉強している施主が、「プロ施主」などと揶揄されたりもしますが、こういう方がいる以上、消費者も勉強しなくてはならないですね…。
(5) 自論のデータを示さない
高気密はカビます。HEATG3はコスパ悪いですし…!
これは地域工務店などで見られるケースでしょうか。
「高気密がダメ」、「断熱等級6は過剰性能」などよく耳にしますが、何を持ってダメとするのでしょうか?
前段落の内容とも通ずるものがありますが、トンチンカンなことを言う人は、理論的に説明されている、引用元が確かなソースであるなど適切な根拠を示してくれないです。
スピリチュアルというか、「それっぽい」ことを言っているケースがほとんどで、「なんで?」と聞いても「悪いものは悪い」としか返ってこないイメージですね。
個人的には、学術的にも、海外の暮らしに習っても、高断熱高気密住宅が推奨されるべきだと現段階では考えております。
これはあくまで各方面の情報にあたってみて自分で出した結論ですし、他人に強要するつもりはありません。ただし、自分はある程度理論が説明できて納得できるものを選んだつもりです。
一昔前までとは異なり、今はSNSなどでも住宅に関する情報はすぐに手に入ります。というか情報が多すぎます。
そんな中で、昔から言われているだけで根拠もない主張を信じて、何千万円もかけて自邸の家づくりを任せてくれるでしょうか。
まずは自社の温湿度のデータでも提示してくれれば、
「お、ここで建てれば今までの家とは違いそうだ!」となる施主もいると思うんですけどね…。
(6) 知らない=できないという
え?付加断熱ですか?それはできないですよ?(やりたくない)
これは私が担当してもらった営業や建築士も同様でした。
「付加断熱お願いできますか?」と依頼したところ、次のような返信が来ました。
外部付加断熱の件ですが、わたしも他社施工の時は何度かやらせていただいておりまして、結構長い歴史がございます。
APW330や430を使用もいたします。断熱は25mm~50mm使いますが、窓はAPWの工法に書かれている通りには行いません。
付加断熱工法は何種類かありますが、信頼おけるやり方は特許を持っておられまして、それを使うためには、特許使用料等、グループに加盟して工事の勉強会に何度も参加しないといけないんです。
防湿シート構造用部材その他、実験データと、施工方法が決まっておりまして、審査機関に提出。防露、構造などの項目すべてのデータの許可受けた工法だけが残ってる形かと思います。
施工の勉強会に何回か参加した立場といたしましては、APWの施工書はさわりぐらいの感じなんですね。うちの事務所が持っている付加断熱工法のマニュアル、各種データについても、流出できないのです。
一年ぶりにこのメール見ました。
これを見るに、
「施工方法は知っているけど契約上教えられないYO☆」
ということのようです。
(そんなことってあるだ、と当時は愕然としました)
しかし家づくりを進めていく中で、付加断熱について勉強してみると、確かに納まりは色々と工夫なようです。
しかし、そもそもビルダーズなどにも納まりは詳細に書かれていたりしますし、例えばXPS25mmの付加断熱であれば窓まわりの納まりも大きく変えなくてもいいようです。
今振り返ってみると、これは上手く誤魔化されただけだったのかな、なんて気もしています。素人だから知らないことをいいことに、上手いこと言って嘘つくプロがいるって知ったときは本当に腹が立ちます。
みなさんは、こんなこと言う建築士がいたらすぐに変えてもらってください!
所感
いかがだったでしょうか。
いろんなパターンがありますが、何個かは聞いたことのあるフレーズだったのではないでしょうか?
多くの人が一生に一度の家づくり。それを担う建築業界にはまだまだ施主と業界側がフェアではなく、あの手この手で良い話をしようとしてきます。
情報過多なこの時代に、どの情報を信用して(※信頼ではない)家づくりをすすめるべきなのか、自分の中で落ち着いて検討できる時間と余裕を持って家づくりを進めることを強くオススメします。
最後に、鳳建設 森さんのメルマガを引用させていただきました。
買う側もですが売る側も同様。自分が取り扱う商品の違いを理解していないプロは、値段でしか勝負できません。
それは住宅業界であっても他の業界であっても同じ。
結局施主が勉強していようがしていまいが、実務者は、勉強し続けないといけない。
よく建築会社同士の集まりの中で、高級住宅の仕事がやりたいなぁみたいな話が出たりしますが、受け皿の実力がないところに、そんな話が来ることは、普通はありません。
その通りだと思いました。
自分のために、業界のために、そして未来のために。
そうやって仕事をしてくれるプロと、多くの人が一緒に家づくりができるようになることを、切に願います。
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
- 断熱等級6の新設や省エネ基準適合の義務化など、家づくりが変わってきる!
- そんな中でもまだ高性能住宅を否定している方もいるので注意!
- 建築業界は特に「情報の非対称性」が多い!
- 自社の特徴を理解し、きちんと説明できるプロと家づくりをしよう!
- 情報過多が多い時代、”信用できる情報”を活用しよう!
以上です。
ちなみにクイズの答えは…!
A. 「情報の非対称性」!建築業界では本当に多くて辟易します。
でした~!
こんな記事も書いています。合わせてご覧ください。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。
◆皆さんが素敵なおうちを建てられますように...◆