◆住宅カンペブログ◆

「住宅カンペ」発信者のブログ。マイホームを手に入れるまでに勉強したことを記録していきます。多くの人が最高のお家を建てれますように◆(*´∀`*)

◆太陽光の確認ポイント ~積載量を最大限活用する~

 

 

 

今回のテーマは太陽光パネルを乗せる時の注意点」です。

 

 

こんにちは。ぽへです

今回は新居に載せた太陽光発電のに関する記事です!

 

 

 

太陽光は載せればOK!とりあえず載っけておきますかー!

いやいや、初期投資が回収できることと、そのシミュレーション通りに行くようにいろいろ考えるのがお仕事でしょうよ!

 

 

 

太陽光パネルは一度載せるとなかなかやり直しが効かないので事前にしっかり調べておきましょう!

よければ参考までにご覧ください。

 

 

 

さて、今回のクイズはこちら!

Q. 太陽光パネルを設置する方角でベストなのは?

 

この記事を読めばきっと答えられると思いますので、ぜひ探してみてください!

 

 

 

 

今後の燃料高騰に備えて最大限に活用したい…!

 

 

 

住宅カンペ vol.70

今回ピックアップするカンペはこちら!

Vol.70 「太陽光パネル取り付け」

 

 

 

 

どんな点に注意すればいいの?

それでは実際にどんなところに気をつければ良いのか、見ていきましょう!

 

 

積載量と初期コスト

ここがみなさんが一番気にされるところかと思います。

 

個人的には「太陽光は元が取れてなんぼ」だと思っているので、シミュレーションは必須だと思います!

 

 

kW当たりの単価で話をするケースもあるようですが、あれはあくまで目安です。

やはり初期投資がどれくらいの期間で回収できて、トータルでどれくらいのメリットになるのか分かっておくだけでも検討材料にはなるかと思います。

 

 

工務店に依頼してもいいですし、WEBでも自分でシミュレーションができます。

 

うちの場合は、工務店にやってもらいましたが条件が正確でなかったので、自分でも検討してみた、という感じになります。

 

 

 

パターン ①(工務店

まずは、工務店からもらったシミュレーションを見てみます。

シミュレーション結果

 

やや見にくいですが、年間発電量は6,130 kWhとなっています。

(※条件が「南向き0°」なのでやや高い計算になっている)

 

ただしこちらは発電量のみなので、実際のところどういう金額になるかはわかりませんでした。

 

 

 

 

パターン ②(WEB)

今回は京セラHPのシミュレーションを行いました。

 

www.kyocera.co.jp

 

 

シミュレーション条件は以下の通りです。

<計算条件>

  • 太陽電池容量:5.32kW 
  • 買取単価:19円(2021年4月~)
  • 傾斜角:17°(3寸)
  • 方位:-30° (真南が0°, 今回は東へ30°)
  • 電力量料金単価:関西電力・はぴeタイム

<その他補正など>

  • 発電電力の損失:太陽電池容量の70~80%
    • 素子温度の上昇による損失率:12月~2月を10%、3月~5月及び9月~11月を15%、6月~8月を20%
    • その他損失:5% (配線、受光面の汚れ、逆流防止ダイオードによる損失など)
  • 日射量データ:NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)/(財)日本気象協会「日射関連データの作成・調査」(平成10年3月)の、滋賀-彦根の日射データ。
  • 設置方式による補正係数:1.000
  • 変換効率:92.5%
  • 未設置の電力量料金:10,000円/月
  • 生活パターン:24時間均等(毎時間同じ量の電力を消費している)

 

上記の条件で出た結果がこちら。

シミュレーション結果①

 

シミュレーション結果②

 

 

年間発電量が5,448 kWh124,297円のコストメリットとの結果でした。

毎月約10,000円のメリットが得られるという計算です。

 

 

この計算だと、設置費用が約132万円なので、10年ほどで費用がペイできる計算となりますね。

条件もある程度自宅に近しいもので計算できていますし、これをベースに今後の収支を考えていきたいですね。

 

 

パターン ③(SOLAミル)

最後に自作したシミュレーションシートで計算してみます。

できる限り必要な要素は取り入れて、蓄電池導入の計算まで対応できるようにしました。

 

 

詳細はこちらの記事をご覧ください。

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pohe-homecampe.hateblo.jp

 

 

 

シミュレーション結果はこちら。

SOLAミルシミュレーション結果

 

10年間で約1,300,000円のコストメリットとなりました。

 

京セラでのシミュレーションとやや近しい結果になりましたね。

 

 

 

とまあここまでで、載せるメリットはありそうだな、ということで採用したのですが、これから建てる方はぜひ以下の点にも注意して検討してみてくださいね!

 

 

 

 

 

方位と傾斜

方位については、南面かつ30°くらいの傾斜が有利だと一般的には言われています。

実際のところどうなのか、NEDO 日射量データベース」で検証してみます。

 

 

まずは冬の時期の方位による影響です。

日射量(1月、大津)

日射量が一番多いのはやはり真南のようです。

基本的に方角としては、 南>東西>北 で間違いないと思います。

 

傾斜については、冬は30~60°くらいが同じくらいの日射量になります。

→現実的な傾斜とすると、30°くらいがベストになるのでしょうか。

 

 

また意外だったのが、

真南と南南東(または南南西)とではあまり日射量が変わらないことですね。

 

真南に向けることが難しくても、30°くらいならずれても大きな損失にはならないと考えると選択肢は広がりそうです。^^

 

 

次に夏の場合を見てみます。

日射量(7月、大津)

夏(7月)の場合はほぼ真上に太陽があるせいか、方位による差はほとんどないみたいです。

傾斜は緩い方が効率は上がるので、やはり冬のグラフも加味すると30°くらいというのは大きな目安になりそうですね。

 

 

 

 

屋根形状

そうした時に、屋根はどんな形状がいいのか?

 

太陽光ありきで考える場合、基本的にはたくさん載せられる形状が望ましいので、「片流れ」「切妻」がいいかと思います。

逆に「寄棟」はあまり載せられませんし、「陸屋根」は傾斜が着かないので冬場の効率が悪くなります。(もしくは傾斜台が必要)

 

 

(詳しくはこちらのカンペ参照!)

Vol.28「屋根形状」

 

 

基本は大容量を南面に、ということになりますが、例えば南面に建物があって日射が期待できない場合などには、南面ではなく東西に切妻にして、太陽光を載せる方法もあるそうです。

朝夕に発電するイメージになります。

効率が良い屋根形状と方角の組み合わせ

 

 

 

さて、我が家は?

 

というと「段違い」なんです。

我が家の屋根形状

住宅街の北側斜線によって片流れはできませんでした。

 

 

ただこの形状が悲劇を生むことになるんですね…。

 

 

 

 

 

 

パネル汚れ

特に九州地方だと、黄砂や火山灰の影響でパネルに汚れがたまることも珍しくはないようです。

 

汚れが気になったからといって、水道水で洗浄することは絶対に避けてください。

水道水中のカルキがパネルに残ってしまい、発電効率が低下してしまいます。

 

ただし2階に設置すると基本自分でメンテナンスすることは不可能なので、業者に依頼する形になるため、自分で洗浄することもなくなるかと思いますが。

 

 

 

 

 

日影

ここは一番の注意ポイントです。

(それなのに計画段階では気が付きにくい…)

 

 

基本的に太陽光発電は、日影が落ちると発電効率が落ちます。

しかも、5%ほど陰になるだけで、10%、20%も発電効率が落ちてしまいます。

 

 

なぜそんなことになるのか?

→太陽光電池ってほとんどの場合「直列つなぎ」なんです。

太陽光パネルは直列になっている

 

 

例えば懐中電灯なんかでも、乾電池を一本だけ古いやつにすると他が全部新品でも点かなくなることがありますよね。

あれと同様で、いずれかのパネルに陰ができて光が遮られてしまうと、それ以降の発電も止まってしまう、というイメージです。

陰の部分以降のパネルも効率が落ちてしまう

 

なので建築設計段階で、現地に行って電柱や近隣の建物など、自宅の屋根に影を落としそうなものがないかは必ず確認しましょう!

(載せたものの想定の60%しか発電しない、なんて悲しすぎますから…)

 

 

我が家はそういったものはなく、安心して太陽光を載せることができました。

 

 

 

そうして発電量を見ていたところ…。

午後以降、発電量が低下してる…?

 

あれれ…?

(ちなみにこの日は終日快晴です)

 

 

 

気になったので別の日に見てみても、結果は一緒でした。

別の日でも同様の低下が見られる

 

 

 

原因を模索していたところ、

自宅の段違いの屋根が太陽光パネルに陰を落としているのでは…?」という可能性が浮上。

段違い屋根による発電効率の低下…?

 

 

 

思い立ったら即行動!

その日の昼過ぎ(14~15時)に屋根の状況を見てみると…

段違い屋根によるパネルの日陰

 

 

うーん、そっかぁ…。

 

まあしょうがない。

こんなことまで施主はわかんないですもん。ローコストというか、現地にもいかず、間取りだけ書いて終わりになるような建築士にお願いしたのがまずかったです。

 

みなさんは、ぜひ設計担当の方と現地に行って、日射のイメージをつかんでください。

 

 

 

本来であればこのようなある程度対称な発電実績になると思っていたんですけどね…。

私の思い描いていた発電状況

 

 

ちなみに、この状況をお伝えした際の対応としては、

 

 

午後からの日差しが影を作っていると思われます。しかし日射の件については、対応のしようがなく…。 大屋根の方にもパネルを載せる方法もありましたがコストに見合わないですし。

 

とのことでした。

 

足場を組んで設置になるため、やはり一発勝負ですね。この記事をご覧いただいている方には、このような失敗がないように工務店にお願いしていただきたいです。

 

 

さて!最後は少し暗い締めになりましたが、太陽光を載せるときの注意点は伝わりましたでしょうか?

 

少しでも参考になればよかったです!

 

 

※追記※

8月に入って、太陽高度が落ちてきて発電効率の低下はやや軽減されたみたいです。太陽高度が高い6~7月くらいの現象かもしれません…。

8月の発電量(参考)

(それでも一番発電できる時期なので効率落ちるのは避けたいんですけどね^^;)

 

 

 

まとめ

それでは今回の記事をまとめます!

☆POINT☆
  • 太陽光は真南に傾斜30°くらいが基本!
  • 太陽光は「元が取れて」こそ!シミュレーションでメリットを把握して!
  • 屋根形状も太陽光に向き不向きがあるよ。意匠性や耐久性など総合的に判断してね!
  • 日影は大きな障害となりうるので必ず現地で確認!

以上です。

 

 

 

ちなみにクイズの答えは…!

A. 真南!だけど南南東(南南西)でも大きな差はないよ!

でした~!

 

 

 

 

 

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最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

皆さんが素敵なおうちを建てられますように...