こんにちは。ぽへです◆
今回のテーマは「住宅の気密」です。
「高断熱高気密」を謳うハウスメーカーや工務店も増えてきました。消費者からすると嬉しいことですね。^^
しかし一方で、謳っている性能は本当に高気密高断熱なのか?そもそも「気密」をしっかり理解してくれているのか?など、心配が尽きないのも正直なところかと思います...。(私だけ?)
さて、今回のクイズはこちら!
Q. 住宅の気密性能で、C値=1.0以下が推奨されるのはなぜ?
この記事を読めばきっと答えられると思いますので、ぜひ探してみてください!◆
気密って本当に重要な要素なんです!
住宅カンペVol.8「C値」
今回取り上げる住宅カンペはこちら。気密性能を示す「C値」についてまとめたものです。ご参考まで!
今回はC値が~、気密が~、という話ではなく、そもそも気密性が良い(=C値が小さい)とはどういうことなのか、少し自分自身の頭の整理も兼ねて書いていきたいと思います。
まずC値とは?
『建物の床面積1㎡あたりの隙間面積(cm2)を表す値』です。家の気密性能を測定した場合に、C値という値が算出されます。
※例えば、床面積100㎡(30坪程)の家で、C値が1.0の場合、建物全部の隙間を集めると100㎠(正方形10×10cm相当)ある、という意味だよ!
→「C値が小さいほど気密性が高い住宅」と覚えてね☆
ただし、気密測定をする場合に換気口やレンジフード、エアコンスリーブ等は目張りをしてから測定するので、
C値は「住宅の穴の大きさ」を表すのではなく、「住宅の隙間の大きさ」を表す、
というふうに理解しておくと良いと思います。
気密性とは?
『密閉した気体が外部に洩れない、または減圧した内部に気体が流入しない性質』(出典:Wiki)という意味らしいです。
まあ例を挙げるとするとこういったものが挙げられるでしょうか。
気密性が高いということは、定義にもあるとおり「中から漏れてしまわない」もしくは「外から入ってこない」状態になります。
じゃあ気密性の高い住宅とは?
「気密性の高い」、つまり「中から漏れにくい」住宅とはどういうことなのか?簡単に言ってしまえば「隙間から空気がもれない家」だと思います。
私がいつも勉強させてもらっているさぬきペンギンさんも同じようなことをおっしゃっておりました。(流石です…!)
もう高断熱より厚断熱の方がわかりやすいと思う。
— さぬきペンギン@高性能住宅マニア (@NSW23092) 2021年5月3日
で、高気密より隙間無の方がわかりやすいと思う。
消費者はイメージで考える方がラク。
家づくりで欲しいのは快適であって理屈じゃないし。 pic.twitter.com/qQs99s6qwr
反対の「隙間から空気が漏れる家」と比較してみましょう。
空気が漏れていないので、しっかりと冷暖房も効いてくれますし、換気もしっかり聞いてくれるので空気もきれいなままです。
ここよく営業さんも間違っていることが多いのですが、
住宅の気密性を上げて欲しいんです、とお願いした時に、「気密性を上げるんだったらエアコンのスリーブも開けないほうがいいです」などといってくるケースがあります。
今までの話から、ここは論点がずれていることがわかるかと思います。
つまり施主側は「隙間面積を少なく、丁寧に施工して欲しい」というオーダーなのに、営業側は「穴の数を減らしたい」というように捉えてしまっているのです。
いずれのタイミングでもエアコンは導入するので穴があくことに変わりはありません。その中で、いかにスリーブ周囲の隙間をなくすか、ということにフォーカスして話をしなくてはいけません。
ここについては、施主側もしっかり理解した上でお願いしたほうが、自分たちの望む性能の住宅が作れるかと思います。
高気密のメリット・デメリット
これは他にも参考になる情報ソースはたくさんありますので、今回の記事では簡単にまとめておきます。
- 室内を一定の温湿条件に保ちやすくなる
- 冷房効率が良くなる(光熱費の削減)
- 換気(特に三種)がしっかり機能する
- 冷暖房によって、洗濯物も乾きやすくなる
- レンジフード問題が生じる
※換気に関しては、C=1.0を下回らないと、三種換気がうまく働いてくれないようです…!
なので皆さん三種換気を採用される場合は、必ず、C=1.0を切るように施工してください、と強く念を押しておきましょう…!
★C=1.0の根拠は「松尾設計室」のYouTubeを参考にさせていただきました!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
『C値(気密性能)はどこまで追求すべきなのか(一種換気、三種換気の注意点含む)』
C=1.0であれば、換気量の50%は自然給気口から換気されるようです。(いやむしろ50%しか換気されないの…?)
↑ これは建築基準法の換気(0.5回/h)に照らし合わせているようですね。
※レンジフードについては、こちらのカンペ参照。
なぜ気密性についてギャップがあるのか?
これはTwitterでいろいろな話を聞いていて思ったのですが、気密性能を上げることに反対、もしくは難色を示されるケースもあるようです。
先ほど気密性が高い住宅の例として「空気がもれない住宅」をあげましたが、上述した「外から入ってこない」、つまり密閉された状態をそのまま住宅に当てはめてしまうとこうなります。
高い密閉性のせいで、外部の新鮮な空気も全く入ってこない、中では普通に生活しているので、二酸化炭素やハウスダストの量はどんどん増えていく…。
どうですか?こんな家に住みたいとは到底思いませんよね?私は嫌です。
こう思っている人が少なからずいて、その方がこういった間違った情報を発信しているのかな、とも思う今日このごろです。
でもこれって実際の高気密住宅とは全然違いますよね。これが、「気密性」に対する誤った認識なんじゃないかと私は思っています。
この記事を読んで、「わかってるよ、そんなこと」と笑ってもらえる分には全然いいんです。それよりもむしろ、「そうなんだ、知らなかった」という人がひとりでも減ればいいな、と思っています。
ハウスメーカーや工務店の営業さんが知っててこんなこと言うことはないかと思いますが、「気密性が高いと息苦しい」などの表現はTwitterのタイムラインでも時々見かけますので本当に心配です…。
まとめ
それでは今回の記事をまとめます!
- 高気密住宅はメリットいっぱい!ぜひ取り組みましょう!
- 換気の観点からもC値は1.0以下をおすすめ!
- 高気密に対する正しい理解を持ちましょう!
- 「高気密は息苦しい」なんていう方にはご注意を…!
以上です。
最後に、クイズの答えは…!
A. 三種換気が十分に働いてくれる最低ラインだから!
でした~!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
◆皆さんが素敵なおうちを建てられますように◆